Storyあらすじ
舞台は、ニューヨーク郊外の小さな町ミネオラ。
一卵性双生児マーナとマイラ姉妹(大原櫻子)は、全く同じ容貌なのに性格は全く似ても似つかず、お互いを遠ざけながら生きてきた。
始まりは1950年代。
核戦争の恐怖が日常生活にも蔓延るアイゼンハワー政権下。保守的な女子高生マーナは、結婚こそが輝かしいゴールだと、すでにジムと婚約中。一方のマイラといえば、世間の常識なんかクソくらえの反逆児。男の子たちと“発展的”交際を広げている。そんな評判が耳に入る度、お堅いマーナのストレスは爆発寸前。ある時、素行の悪いマイラを諭そうと、マーナに頼まれたジムがマイラの元へと向かったのだが…。
時代は飛んで1969年。
ベトナム戦争の泥沼にあえぐニクソン政権下の世の中。“良い子”マーナと10代の息子ケニーが銀行の列に並んでいる。ラジオからは、過激な反戦運動に身を投じたマイラが、ついには指名手配の逃亡犯になったニュースが流れてきた。ところが、不仲だったはずのマーナは、その銀行でマイラのための逃走資金をおろし、息子ケニーをマイラの隠れ家へと向かわせようとしていた…。
一体、マーナの真意はどこに?
そして場面は、20年一気に飛んで1989年。
パパ・ブッシュ政権下の世の中へ。ラジオからは番組DJの声が聞こえる…。
「言い返せ!やり返せ!咬みつき返せ!」
その声の持ち主は?
ジェンダー、セクシュアリティ、人種、格差…
時代と価値観の変遷の中で、真逆の道を歩んできた双子姉妹が見る夢は…?
Staffスタッフ
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<作>ポーラ・ヴォーゲル
Paula Vogel
ポーラ・ヴォーゲル
Paula Vogel
1951年、米国ワシントンDC生まれ。高校在学中に演劇活動を開始。
地元のカトリック大学からコーネル大学大学院博士課程に進学。
1970年代後半より本格的に劇作を開始。同時期より長年、コーネル大学、イエール大学等の演劇部門で教鞭をとる。彼女の門下からは、多くの著名な劇作家たちが巣立っていった。
1977年上演の初の戯曲「Meg」を皮切りに、劇作家としてのキャリアを重ねる。
その評価が高まった出世作は、エイズと闘っていた実の兄からインスピレーションを得たコメディ
「The Baltimore Waltz ボルチモア・ワルツ」。
この作品で、1992年オビー賞(最優秀新作戯曲に与えられる賞)を受賞。
アンダーグラウンドな人気から、一躍全国的な知名度を獲得した。
また、1997年上演の「How I learned to drive どうやって私は運転を習ったのか」で、1998年度ピュリッツァー賞演劇部門賞の他、オビ―賞、ドラマデスク賞、ニューヨークドラマ批評家協会賞など主要な戯曲賞のほとんどを獲得。
現代の米国演劇界を代表する劇作家としての地位を確立した。
公言しているように彼女自身が同性愛者であり、フェミニストとして大きな影響力をもつ劇作家である。
しかし、彼女は、マイノリティーの権利問題やセクシュアリティだけをクローズアップしているのではなく、その執筆テーマは、人間の深部にある普遍的でデリケートな感情を乾いたユーモアで描くところにある。
それが、多くの読者、観客の心を長くつかんでいる要因でもある。
2013年、アメリカ演劇界の殿堂入りを果たし、2017年には、オビ―賞の「生涯功労賞」を受賞している。
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<演出>藤田俊太郎
藤田俊太郎
1980年、秋田県生まれ。演出家。
東京藝術大学美術学部先端芸術表現科に在学中の2004年、ニナガワ・スタジオに入る。
2005年に大学を卒業以後、から2015年まで蜷川幸雄作品に演出助手として携わる。
2011年、「喜劇一幕・虹艶聖夜」で作・演出を手掛ける。
2012年、彩の国さいたま芸術劇場さいたまネクスト・シアター「ザ・ファクトリー2(話してくれ、雨のように……)」の演出を担当。以降、多くの演出作が高い評価を受けている。
2019年1月、ロンドン・チャリングクロス劇場にてミュージカル「VIOLET」を上演。
英国での演出家デビューを果たし、同作は、2020年に日本人キャストにて日本でも上演された。
<最近の主な演出作>
2014年
「ザ・ビューティフル・ゲーム」演出
2015年
「美女音楽劇 人魚姫」演出
2016•17
「ミュージカル 手紙」演出
2016•18年
「ジャージー・ボーイズ」演出
2016・18年
「Take・Me・Out」演出
2017•18•19•20•21年
「ラヴ・レターズ」演出
2017年
「ダニーと紺碧の海」演出
2017•18•19年
「ピーターパン」演出
2018•20年
ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」・イン・コンサート 演出
2020年
『絢爛豪華祝祭音楽劇「天保十二年のシェイクスピア」』、「VIOLET」「NINE」演出
2021年
「東京ゴッドファーザーズ」演出
<主な受賞歴>
第22回読売演劇大賞 杉村春子賞/優秀演出家賞受賞(2015)~「ザ・ビューティフル・ゲーム」にて
第24回読売演劇大賞 優秀演出家賞受賞(2017)~「ジャージー・ボーイズ」にて
第42回菊田一夫演劇賞受賞(2017)~「ジャージー・ボーイズ」「手紙2017」にて
第28回読売演劇大賞 最優秀演出家賞受賞(2021)~『絢爛豪華祝祭音楽劇「天保十二年のシェイクスピア」』「VIOLET」「NINE」にて
第42回松尾芸能賞優秀賞(2021)~『絢爛豪華祝祭音楽劇「天保十二年のシェイクスピア」』「VIOLET」「NINE」にて
翻訳・・・・・・・徐賀世子
美術・・・・・・・種田陽平
照明・・・・・・・日下靖順
衣装デザイン・・伊藤佐智子
音響・・・・・・・・加藤温
映像・・・・・・・・横山翼
ヘアメイク・・・・宮内宏明
ステージング・・小野寺修二
舞台監督・・・・・瀬﨑将孝
プロデューサー・・北村明子
企画・製作:シス・カンパニー
お問い合わせ
シス・カンパニー
TEL:03-5423-5906
(平日11:00~19:00)