演出・上演台本:三谷幸喜 Koki Mitani

1961年、東京都出身。 日本大学芸術学部演劇学科在学中の1983年に、劇団「東京サンシャインボーイズ」を結成。
同時期に放送作家としても活動を開始し、1980年代後半から深夜枠のドラマ等で注目される。1990年代より、自身が脚本を手がけたTV ドラマ『振り返れば奴がいる』(1993)、『古畑任三郎』シリーズ(1994〜)、『王様のレストラン』(1995)などが次々と大ヒット。同時に劇団も『12人の優しい日本人』『ショウ・マスト・ゴーオン』などのヒット作で人気も高まり、多くの実力派俳優たちを輩出するが、1994年に30年の充電期間を宣言し、劇団は休団(2009年に一時的に復活するが、その後、15年間の「休憩」を再宣言)。以降、脚本家、演出家として多くのプロデュース公演で作品を発表している。
1997年には映画『ラヂオの時間』で映画界にも進出。『みんなのいえ』(2001)、『THE 有頂天ホテル』(2006)、『ザ・マジックアワー』(2008) 『ステキな金縛り』(2011)、『清須会議』(2013)、『ギャラクシー街道』(2015) 、『記憶にございません!』(2019)など、脚本と監督を務めた映画でも人気が高い。
近年の舞台活動では、2016年11-12月に、世紀の喜劇役者榎本健一の偽者を描いた『エノケソ一代記』を上演。ここで「古川ロッパ」の偽者を演じ、実に24年ぶりとなる本格的な俳優復帰を果たす。市川猿之助、吉田羊らと堂々と渡り合う姿はファンを大いに喜ばせた。以降、初のサスペンス『不信〜彼女が嘘をつく理由』(2017)、キャスト全員が10歳の小学生を演じた『子供の事情』(2017)、『酒と涙とジキルとハイド』(2014年初演)オリジナルキャストによる再演と台湾公演(2017)、新橋演舞場を大きな笑いで包んだ『江戸は燃えているか』(2018)、ミュージカル『日本の歴史』(2018)、三谷かぶき『月光露針路日本 風雲児たち』(2019)、若きシャーロック・ホームズを主人公にしたオリジナル『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』(2019)の他、『ショーガールVol.2』、『虹のかけら〜もうひとりのジュディ』(2018)など音楽、歌で彩られたスタイリッシュな小品をも手がけている。また、翻訳戯曲は、2012年にチェーホフ作『櫻の園』(翻案・演出)を手がけたのが初めて。その後、英国のロナルド・ハーウッド作『ドレッサー』(演出・2013)、ニール・サイモン作『ロスト・イン・ヨンカーズ』(演出・2013)、ジャン・コクトー『声』(上演台本・演出・2013)、16世紀の劇作家カルロ・ゴルドーニ作『抜目のない未亡人』(上演台本・演出 2014)など、既存の海外戯曲にも独自のアプローチで取り組んでいる。舞台以外の近年の作品としては、大河ドラマ『真田丸』(2016)、NHK正月時代劇『風雲児たち〜蘭学革命篇〜』(2018)、アガサ・クリスティ作品を翻案した『黒井戸殺し』(2018)、前述の映画『記憶にございません!』(2019)、Amazon Prime Video Originalの配信ドラマ『誰かが、見ている』(2020)が人気を集めた。コロナ禍の2020年は、パルコ劇場オープニング公演として、作・演出『大地』、『三谷幸喜のショーガール』、三谷文楽『其礼成心中』を三作品連続で上演。『大地』は、ソーシャル・ディスタンシング・ヴァージョンと銘打ち、綿密に工夫を凝らした演出が話題を呼んだ。
2022年には、3度目の脚本執筆となるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が放映予定である。