シス・カンパニー公演 大人は、かく戦えり | |
SIS company inc. のプロデュース作品のご紹介 |
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「子供の喧嘩に親が出る」 この諺は、文字通り、子供同士の喧嘩に親が首を突っ込んで、引いては親同士の大きな喧嘩に発展してしまいがちなことから派生していますが、小事に干渉して騒ぎ立て、大事に至らす愚かさを謗る例えにも、その大人げなさをたしなめる例えにも使われる言い回しです。 この作品、『大人は、かく戦えり』の舞台・フランスに同じような言い回しが存在するのかは知りませんが、我が子の一大事に、ついつい黙ってはいられない親心は、洋の東西を問わないはず。故におそらく、この諺のように、子供の喧嘩に介入する親たちを見て、 『あらあら、大の大人がみっともない・・・・』 と嘲笑を浮かべたくもなる感覚も、世界共通かもしれません。今回、シス・カンパニーが日本初演を手がける 『大人は、かく戦えり』 は、まさに"子供の喧嘩に親が出る"シチュエーションから始まります。この戯曲が、2006年の発表から瞬く間に多くの言語に翻訳され、上演国が世界中に広がっているのは、このシチュエーションの身近さも理由のひとつかもしれません。 4人の登場人物 ---- 被害児童の両親:ウリエ夫妻(大竹しのぶ・段田安則)と加害児童の両親:レイユ夫妻(秋山菜津子・高橋克実) ---- は、皆、地位も教養もある中流階級のフランス人夫婦。ある日、息子同士の喧嘩がエスカレートし片方がケガを負ったことから、その後始末のために被害者ウリエ家の応接間に集まります。進歩的な考えの持ち主を自認する親たちの話し合いは、当然、 『あらあら、大の大人が・・・』 的な介入とは一線を画し、まずは礼儀正しく、寛容な大人のマナーで始まります。ところが、話し合いは猛烈な勢いで本題から逸脱。それぞれの夫婦の亀裂が浮き彫りになるや、話題は夫婦間の問題に止まらず、舞台上は、4人が互いの地雷を踏み合うバトルフィールドへ! もはや制御不能な"生き物"と化した大人たちから次々と繰り出される "破壊兵器"の数々に、『あらまッ・・・』 と嘲笑気味だった観客席も、もう爆笑せずにはいられない、そんなビターテイスト満載の世界。まさに、"滑稽な悲劇/悲劇的なコメディ"を描いて秀逸なヤスミナ・レザの世界が堪能できる上質なコメディなのです。 この強烈な<大の大人たち>に、大竹しのぶ、段田安則、秋山菜津子、高橋克実 の日本の演劇界を代表する実力派が顔を揃えます。もし、この身近なシチュエーションが実生活で起こったら・・・・・・この4人の誰をとっても、絶対に敵にまわしたくないような顔ぶれ!中でも、ウリエ夫妻を演じる大竹・段田は、段田安則に読売演劇大賞グランプリをもたらし、最優秀作品賞にも輝いた弊社公演『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』での共演が思い出されます。残酷なほどに激しく罵り合う中年夫婦の複雑な心理を演じた2人が、再び相見え激闘の場へ!しかも、強敵:秋山・高橋のレイユ夫妻の参戦で、演劇ファンの胸が高鳴るマッチングが実現します。 演出は、映像、舞台でエッジの効いた笑いのセンスを発揮するマギー。この作品で、初めて翻訳戯曲の演出を手がけますが、その研ぎ澄まされた視点から生まれる人間観察のユニークさとこだわりぬいた緩急自在なリズム感が、4人の超級キャストと共に、この世界的人気戯曲に新鮮な驚きをもたらしてくれるはず。そして、 徐 賀世子 のナチュラルなセリフ術とマギーのこだわりが融合し、ヤスミナ・レザ作品の醍醐味に迫ります。 シス・カンパニー、2011年の初陣を飾る舞台 『大人は、かく戦えり』 にご期待ください! | |||
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もともとはドイツのベルリナー・アンサンブルからの依頼に応じる形で執筆された作品。
まずは、2006年12月に、スイス・チューリッヒ・シャウシュピールハウス劇場でドイツ語版により世界初演を迎え、後に、2007年10月よりベルリナー・アンサンブルが本拠地ベルリンで上演。以後、同劇団のレパートリー演目としても定期的に上演されている。 本国フランスでの初演は、2008年1月パリ・アントワーヌ座にて、ヤスミナ・レザ自らの演出、フランスを代表する女優イザベル・ユペール出演で開幕し大ヒットを記録。その勢いは英語圏やヨーロッパ各国にも波及し、同年3月にロンドン・ウエストエンドで、レイフ・ファインズらの出演で英語版『God of carnage』(翻訳:クリストファー・ハンプトン)が上演され、2009年ローレンス・オリヴィエ賞演劇部門ベスト・ニュー・コメディ賞を受賞。2009年3月から上演されたブロードウェイ版は、同年のトニー賞演劇部門最優秀作品賞のほか、最優秀主演女優賞(オスカー受賞者マーシャ・ゲイ・ハーデンが受賞。その他キャスト全員:ジェームズ・ギャンドルフィーニ、ホープ・デイビス、ジェフ・ダニエルズが主演賞にノミネート)と最優秀演出家賞の計3部門を受賞するなど、圧倒的な評価を獲得した。現在までに、スペイン、イタリア、スカンディナビア諸国、スロヴェニア、ルーマニアなどのヨーロッパ各国はもちろんのこと、オセアニア、南米、韓国、香港など翻訳上演が全世界に拡大。いよいよ本公演で日本初演の運びとなった。 なお、本公演が開幕する2011年1月から、ロマン・ポランスキー監督による映画版がクランクイン予定。監督は、1977年に米国で起訴された少女淫行事件の量刑判決から逃亡して以来フランスに定住しているが、2009年9月にスイス警察に身柄を拘束され、スイス国内で一時軟禁状態となった。米国送還の危機が高まった折には、ヤスミナ・レザが欧州の文化人の先頭に立ち抗議運動を展開していた。 この映画化プランは、監督の身柄拘束以前から決定していたもので、共同で映画版脚本の練り直しも進行していたが、監督がスイスで軟禁状態になったことで止むなく一時中断となった。しかし、2010年7月、スイス政府が正式に米国からの送還要請を拒否したことで自由の身となり、再び映画プロジェクトが始動。ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット、クリストフ・ヴァルツ(「イグロリアス・バスターズ」で第82回アカデミー賞助演男優賞受賞)などのキャスティングも発表され、大きな話題を呼んでいる。あと一名は、一時期マット・ディロンの出演が噂されたが、2010年11月現在は、ジョン・C・ライリーの名前が挙がっている。 映画の舞台は、ニューヨーク郊外ブルックリンに置き換えられているが、監督の"件の事情"により、撮影はフランス国内で行われる。 |
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