演劇はもちろん、映画、ドラマの脚本・演出など、傑出した活躍を続ける加藤拓也。
この若き才能が、日本における不条理劇を確立した別役実作品に挑みます。
２０２１年にシス・カンパニー公演にて、安部公房作「友達」に鋭く切り込み、
その不条理性を際立たせた手腕が、巧者揃いの俳優陣を得て、
どのような世界観を打ち出すのか・・・ 是非、ご期待ください！
ある日、ある所に、「棺桶」を担いでやって来た五人の紳士たち（堤真一・溝端淳平・野間口徹・小手伸也・藤井隆）。
どうやら、五人のうちのひとりが懸賞のハズレくじでもらった景品らしい。
せっかくの景品を役立てるためには、仲間の一人が死んで棺桶の中に入らねば、
と、五人の議論が始まった。
いかに本人が死を意識せず、痛みを感じる前に死ねる方法がないものか、、、と
模索する五人。
そこへショッピングバッグを抱えた女性二人（高田聖子・中谷さとみ）が現れた。
彼女たちは、同じ懸賞の当たりくじの当選者たちだったのだ。
そして、その一等賞の景品とは・・・？
<作>別役実
１９３７年４月６日、旧満州国新京特別市（現・中国長春市）生まれ。
１９４６年に引き揚げ後、高知、静岡を経て小学４年生で長野に定住。
高校卒業までを長野で過ごす。
１９５８年、早稲田大学政治経済学部政治学科に入学。
ベケット、カフカらの不条理劇に影響を受け、学生劇団「自由舞台」に参加。
そこで鈴木忠志に出会う。１９６０年に大学は中退するが、演劇活動と学生運動（６０年安保闘争）にのめり込む。一時期、サラリーマン生活を送りながらも演劇活動を継続。１９６２年に「新劇団自由舞台」を鈴木忠志らと共に旗揚げし、初期の代表作『象』を上演。１９６６年には劇団が発展的に「早稲田小劇場」となり、座付き作家として活躍。『マッチ売りの少女』（１９６６年）、『赤い鳥の居る風景』（１９６７年）で第１３回岸田國士戯曲賞を受賞。同劇団を離れてからも、その旺盛な執筆活動は止まることなく、多くの劇団、演劇集団に次々と戯曲を書き下ろした。
１９７１年『街と飛行船』『不思議の国のアリス』で紀伊國屋演劇賞個人賞、
１９７２年『そよそよ族の叛乱』で芸術選奨文部大臣賞新人賞、
１９８８年には『諸国を遍歴する二人の騎士の物語』で読売文学賞、
同作と『ジョバンニの父への旅』で芸術選奨文部大臣賞、
２００８年には『やってきたゴドー』で紀伊國屋演劇賞個人賞、鶴屋南北戯曲賞を受賞。
また、その功績により、１９９８年には毎日芸術賞特別賞、２００８年に朝日賞、２０１２年には読売演劇大賞芸術栄誉賞を受賞している。
劇作のほか、童話や児童のための戯曲、エッセイも多く手掛けた。
２０２０年３月３日に逝去。
日本における不条理劇という分野を確立させ、現代の多くの劇作家に大きな影響を与え続けている日本演劇界の巨星である。
<演出>加藤拓也
1993年12月26日生まれ。
大阪府出身。
17歳でラジオ・テレビの構成作家として活動開始。18歳でイタリアに渡り、映像制作に携わる。帰国後、20歳で「劇団た組」を立ち上げ、若い劇団ながら、一躍注目の劇団へと躍り出る。劇団では、小川洋子の小説『博士の愛した数式』、押見修造の漫画『惡の華』の舞台化の他、『在庫に限りはありますが』、『今日もわからないうちに』、『誰にも知られず死ぬ朝』などの書き下ろしを上演。
2020年以降、三島由紀夫没後50周年企画『ＭＩＳＨＩＭＡ２０２０』(日生劇場)での『真夏の死』をはじめ、外部演劇活動も活発化。シス・カンパニー公演では、2020年『たむらさん』作・演出、2021年には安部公房作『友達』上演台本・演出、翻訳戯曲演出を初めて手掛けた2022年『ザ・ウェルキン』、2023年の書き下ろし作『いつぞやは』作・演出がある。その他、エッセイ連載など活躍の幅を広げている。
また、映像分野での注目度の高まりも勢いを増し、脚本を担当したドラマ『俺のスカート、どこ行った？』、『不甲斐ないこの感性を愛してる』、『死にたい夜にかぎって』、『ももさんと７人のパパゲーノ』等が大きな話題を集めた。
その着眼点の斬新さと台詞術が驚きを与えたNHKよるドラ『きれいのくに』（2021年放映/4話では演出も担当）脚本で、20代の脚本家としては初めて「第10回市川森一脚本賞」を受賞。
最近の作・演出舞台には、2021年『ぽに』、2022年『もはやしずか』『ドードーが落下する』、2023年『綿子はもつれる』があり、同作は初の海外公演として台湾でも上演された。
また、2022年に公開された初監督映画『わたし達はおとな』に続き、脚本・監督を務めた映画『ほつれる』が2023年9月に公開された。
2023年、第67回岸田國士戯曲賞、第30回読売演劇大賞演出家賞部門優秀賞を受賞した。
美術・・・・・・・・・・・・・・松井るみ
照明・・・・・・・・・・・・吉本有輝子
音響・・・・・・・・・・・・清水麻理子
衣装・・・・・・・・・・・・・安野ともこ
ヘアメイク ・・・・・・・・・横田聡子
舞台監督・・・・・・・・・・瀧原寿子
プロデューサー・・・・・北村明子
堤真一
溝端淳平
藤井隆
野間口徹
小手伸也
中谷さとみ
高田聖子
徳高真奈美 <ヴィオラ演奏>
＜東京公演＞
提携：公益財団法人せたがや文化財団/世田谷パブリックシアター
後援：世田谷区
＜岡山公演＞
主催：公益財団法人岡山文化芸術創造、シス・カンパニー
共催：岡山市
運営協力：サンライズプロモーション大阪
＜大阪公演＞
運営協力：サンライズプロモーション大阪
＜福岡公演＞
主催：九州朝日放送／シアターマネジメント福岡／サンライズプロモーション東京
後援：福岡市
企画・製作：シス・カンパニー
TEL：03-5423-5906
(平日11:00～19:00)
