シス・カンパニー公演 叔母との旅
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<この公演は、2012年8/15(水)に閉幕しました。>



 英国を代表するストーリーテラー:グレアム・グリーンのスリリングな小説を戯曲化した本作「叔母との旅」は、たった4人の男優が老若男女20役以上ものキャラクターを瞬時のうちに演じ分けながら、劇場空間と客席との一体感を創り上げる舞台です。そして、世界地図上を旅しているかのような"道連れ感覚"で、いわばロードムービー的な躍動感も魅力の作品です。 過去には、1995年に、安西徹雄 翻訳・演出、橋爪功、有川博、勝部演之、吉見一豊の「演劇集団円」が誇る4人のベテラン男優陣によって上演され、絶賛を博した名作ですが、その輝かしい上演記録の1ページに、2010年夏、新たに仲間に入れていただいたのが、翻訳:小田島恒志、演出:松村武、出演:段田安則、浅野和之、高橋克実、鈴木浩介 によるシス・カンパニー上演版でした。 そして、この上演版は、2010年度読売演劇大賞優秀作品賞をはじめ、最優秀男優賞(浅野和之)、最優秀スタッフ賞(小野寺修二)を受賞する栄誉に輝き、その年を代表する作品のひとつとなりました。
 この度、2週間足らずの短い期間ではございますが、前回、ご観劇が叶わなかった方々や、"もう一度 「旅の共犯者」になりたい"という熱烈な演劇ファンの皆さんの声に大いに勇気づけられ、シス・カンパニーとしては初めての「再演公演」を上演の運びとなりました。

支店長まで務めた銀行を、勤続30年で定年退職となったヘンリー。
独身の彼は、庭のダリアの成長だけを楽しみに、静かな引退生活を送っていた。
ある日、86歳で他界した母親の葬儀で、子供のころに別れたままだった叔母オーガスタと50年ぶりの再会を果たす。
すでに70代後半だという叔母には、彼女を愛してやまない若い恋人もいて、 その生き方は自由奔放そのもの。
堅物の自分とは正反対の叔母に誘われるままに旅に出たヘンリーは、 やがて叔母が導く波乱と冒険の旅路の真っ只中へ・・・。
そして、規格外の"ぶっ飛んだ叔母"に当惑しながらも次第に、常識やモラルにとらわれない叔母の生き方 に惹かれていく。
「もはや老後」と決め込んでいたはずの男の人生は、思いがけない輝きと甘美な香りを放ち始め、 いつしか自己の真実に向き合う旅のクライマックスへと近づいて行く・・・。

 原作小説では、英国から南米までの壮大な走行距離の上に、叔母が語る思い出話は時代背景も実にさまざま。
行く先々で種々雑多な人物たちが登場し、いかがわしさや犯罪の気配も漂います。そこを、かみ合わないのか絶妙なコンビネーションなのか、付かず離れず進む2人の旅の顛末が、時空を自在に飛び交いながら、ユーモアやアイロニーにあふれたヘンリーの「語り」によって綴られていきます。そんな原作のスピード感と世界各地の匂いまで漂うようなライブ感を、英国の劇作家・俳優であるジャイルズ・ハヴァガルが、4人の男優だけで表現する斬新なスタイルに仕上げたのが本戯曲です。
この戯曲では、「語り手」である主人公ヘンリーでさえ、4人の男優によってクルクルと変わりながら演じられ、会話の途中でありながら、一人の役者が瞬時のうちに、今向き合っていた相手が演じていた役にスイッチしたりしながら複数の役を演じ分けていきます。それを、段田安則・浅野和之・高橋克実・鈴木浩介 という各メディアでもお馴染みの「存在」が、「身体表現」「語り」「最少限の小道具やセット」「同じ衣裳」などで、瞬時のうちに、「今、誰がどこを旅しているのか」「今は誰が何を語っているのか」を伝えていきます。前回公演では、役者同士のみならず、カンパニー全員の連携と呼吸からも躍動感が生まれ、お客様の想像力と溶け合った濃密な空気感に包まれました。そして、今回、「生の演劇ならではの醍醐味にあふれる作品」「人生を感じさせる大人の芝居」等々の評価をいただいた前回以上の高い完成度をめざし、シスとしての初めての再演に挑みます。

(2010年前回公演より)  撮影:谷古宇正彦
会場は前回と同じく、夏休みの子供たちの歓声にあふれる「こどもの城」にある「青山円形劇場」です。
しかし、この空間に足を踏み入れた途端、そこは、「大人の遊びの醍醐味」に満ちた世界に変容し、 4人の俳優たちが、皆さんを客席にいながらにして、まるで列車や客船にでも乗り込んだかのように、世界各国をめぐるスリリングな"自分探しの旅"へとご案内いたします。前回、その"旅"を味わった方々も、初めて一歩踏み出そうという方々も大歓迎です。でも、旅の期間は大変短い設定ですので、是非、お乗り遅れなきよう、  『叔母との旅 Travels with my aunt』 へのご参加をお待ちしております! 
                                        <前回公演の公演概要はこちらから

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シス・カンパニー (03)5423-5906
番号はお確かめの上、お間違えないようおかけください。