シス・カンパニー公演 恋のヴェネチア狂騒曲 | |
SIS company inc. のプロデュース作品のご紹介 |
公演概要 | スケジュール | Cast・Creative Team | SIS Twitter | HOME |
本公演は、2019年7月28日(日)に千秋楽の幕を下ろしました。 ご声援、ありがとうございました。 |
昨年末に、「2人の主人に仕えた男」という仮題で第一報を発信した本作。 |
原作「2人の主人に仕えた召使 Il servitore di due padroni」あらすじ
18世紀半ばのイタリアの水の都ヴェネチア。
この町の実力者である商人パンタローネの娘クラリーチェと、その友人であるロンバルディ博士の息子シルヴィオは、家族と一緒に2人の婚約パーティの真っ只中。 実はクラリーチェには、政略結婚の許嫁フェデリーゴ・ラスポーニがいて、本来はこの婚約パーティの主役の片割れはフェデリーゴだったのだが、なんとフェデリーゴは、婚約パーティの直前に、ある男との決闘で命を落としていた。 その結果、もともと恋仲だったシルヴィオとクラリーチェがめでたく結婚できることになったのだ。 ところがそのパーティに、あろうことか死んだはずのフェデリーゴとその召使が現れた。 せっかく結婚できるはずだった若い恋人たちは、生き返った死人にまた引き裂かれてしまうのか?! 一方、ワケありの恋人同士のベアトリーチェとフロリンドは、バラバラに逃げるように故郷からヴェネチアへとやって来た。 なんとかお互いを探し出し、次の手を打とうとするのだが、連絡をとろうにも、すれ違いばかりでなかなか会うことができない・・・。 なぜなら、ベアトリーチェもフロリンドも、ヴェネチアの宿屋で出会った、お調子者のトゥルファルディーノを気に入り、召使として雇ってしまったのだ。 何とかうまく、2人相手に奉公して2倍の給金をせしめようと、両者の間をバタバタと走り回るトゥルファルディーノ。 次第にボロが出てくるのを、持ち前の機転と愛嬌で切り抜けていくが・・・・。 愛し合うベアトリーチェとフロリンドは無事に巡り会い、新世界へと旅立てるのか? 生き返った(?)フェデリーゴに引き裂かれた若い恋人たちシルヴィオとクラリーチェは結ばれるのか? そして、2人の主人に仕える愛すべきお調子者、トゥルファルディーノの運命は!? 原作:カルロ・ゴルドーニ Carlo Goldoni (1707−1793)その人生
1707年、イタリアのヴェネツィア共和国で誕生。父は医者。自宅に人形劇の道具があったことから一人遊びの延長で芝居に親しんだという。その後、戯曲執筆など演劇を続けながら法律を学び、弁護士を開業するが、1748年に演劇1本に集中する決意の下、故郷で初めて上演したのが、「抜目のない未亡人」であり、彼が求めた演劇の革新をハッキリと示した作品だと言われている。
彼が幼い頃から親しみ、当時の主流を占めていた演劇は、16世紀から流行していた「コンメディア・デッラルテ」と呼ばれる仮面を使った即興的な演劇で、特に書き込まれた台詞を喋るのではなく、典型的なシチュエーションをベースに、類型的なキャラクターを役者が即興でユーモラスに演じるというもの。それに対し、ゴルドーニが求めた演劇は、あらかじめ台詞が書き込まれた「脚本」を基に即興ではない芝居をすることで、その脚本の登場人物たちは仮面を脱ぎ捨て、それぞれに性格が与えられ、物語の背景には、風俗や貴族だけでなく庶民の暮らしが生き生きと描き込まれるというものだった。現代では、演劇的革新をもたらしたとして、「イタリア近代演劇の父」とも呼ばれているが、当時は、この革新的な姿勢が旧勢力からの攻撃を受け、1762年、フランス宮廷に招かれたのを機にフランスに移住。ルイ15世・ルイ16世の王女たちにイタリア語を教え、フランス語で数多くの戯曲も執筆、上演するなど演劇活動を続けていたが、フランス革命をきっかけに貧困に窮し、故郷に戻らないまま死去したという。 〜その再評価・大ヒット!〜
失意のまま世を去ったゴルドーニだったが、後に多くの作品が再評価を獲得。特に、本作の原作「2人の主人に仕えた召使(原題)」は、2011年には、英国ナショナル・シアター制作で、1960年代の英国の港町ブライトンを舞台に翻案した「ONE MAN,TWO GUVNORS(1人の男と2人の主人)」が大ヒット。英国の喜劇作家リチャード・ビーンが手がけた作品は、英国のみならず、ブロードウェイでも大絶賛の人気作となった。“2人の主人の間を立ちまわる”お調子者の「トゥルファルディーノ」を演じた俳優ジェームス・コーデンは、本作でオリヴィエ賞主演男優賞、トニー賞主演男優賞を獲得。アメリカの人気トークショーのホストやグラミー賞・トニー賞授賞式の司会を務めるなど、現在、押しも押されぬスーパースターとして活躍する彼を、一気にスターダムに押し上げた記念すべき作品となった。 シス・カンパニーでは、三谷幸喜が上演台本・演出を手掛け、2014年に『抜目のない未亡人』を上演。 ゴルドーニの真髄はそのままに、設定を18世紀から現代のヴェネチア映画祭でにぎわう水の都に変換。名優たちが舞台狭しと駆け巡り、次々と繰り出す笑いの数々に人気が集まった。 |
上の画像クリックすると大きな画像を表示できます。 | ||
| ||