アリエル・ドーフマン(1942-) Ariel Dorfman

アルゼンチン生まれ。チリ国籍。小説家、劇作家、詩人、ジャーナリスト、人権問題活動家。両親はユダヤ人。
1945年一家で渡米。赤狩り時代の'54年にチリへ渡る。'70年、議会制下で初めての社会主義政権実現を目指したアジェンデ政権発足後、チリ国立大学で教鞭を執る。また、チリでの新しい文化の創造を目指し、児童文学やコミックスの分析に従事。国営出版社の児童・教育部門などで創作を重ねる。'73年、軍事クーデターによりアジェンデ政権が崩壊するとオランダに亡命。のちに米国ワシントンD.C.に移り、'92年よりデューク大学教授を務める。その傍ら、執筆活動を続け、その後、チリに帰国。'98年に20年の歳月を費した戯曲・抵抗3部作「谷間の女たち」「死と乙女」「ある検閲官の夢」を完成させた。他に「子どものメディアを読む」('83年)、「マヌエル・センデロの最後の歌」('87年)、「ピノチェト将軍の信じがたく終わりなき裁判」(2002年)、「世界で最も乾いた土地」('04年)などがある。'04年には、新国立劇場のために、「The Other Side/線の向こう側」を書き下ろし、上演されている。