シス・カンパニー公演 ロンサム・ウェスト | |
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6/01(日)で全ステージの幕を無事に下ろしました。 |
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アイルランドにルーツをもつ英国の人気劇作家であり、映画脚本家・監督としても快進撃を続けるマーティン・マクドナーの戯曲は、これまで日本でも数多く上演され高い評価を受けてきました。
彼の世界に登場する人物たちは、完全無欠のヒーロー、ヒロインとは無縁の存在なのですが、マクドナーは彼らをダークな笑いでドライに描き、ある種の人間が醸し出す可笑しみと、人間のむき出しの感情をピュアに浮き彫りにしていくのです。その「悪夢の中で出会う真実」を、ダークなファンタジーととらえるか、救いのない陰惨な物語ととらえるのかは、観る人、読む人の判断とお好み次第なのですが、どの作品も、救いようのない人間たちの物語であるはずなのに、なぜか "不意打ち"にあったかのように、身体の奥底から心を揺さぶられるような感情が湧き上がってくることに驚かされます。そして、そのダークでシニカルな乾いた笑いの手触りとは裏腹に、清冽な余韻を残していくのです。 マーティン・マクドナーは、私たちの五感に刺激を与え続け、現代演劇をエキサイティングな領域へと牽引してくれる存在なのです。 この度、そのマーティン・マクドナーの劇世界に、私たちシス・カンパニーが初めて挑むことになりました! 『ロンサム・ウェスト』は、1996年に衝撃的なデビューを果たした『ビューティ・クイーン・オブ・リーナン』に続けて発表した作品で、1997年6月に、アイルランド・ガルウェイの劇団Druid Theatre Companyによって初演。その翌月には、英国ロンドン・ロイヤル・コート・シアターで上演され、先の『ビューティ・〜』、『コネマラの骸骨』と共に“リーナン三部作”と呼ばれ、世界的に人気が高い作品です。1999年には、英国上演版と同じキャストでブロードウェイ・ライセウム・シアターにて上演。同年のトニー賞作品賞と主演男優賞にノミネートされました。 このアイルランド独特の空気感と閉塞感をまとい、登場人物4人だけで展開する物語に挑むのは、昨年一足早くマクドナー作『ピローマン』を演出し、2013年度の主だった多くの演劇賞を受賞した小川絵梨子。 翻訳にも才能を発揮する彼女が、アイリッシュ特有とも言える英語の言い回しやリズムを、どのように今回の翻訳に落とし込むのか、また、どんな切り口から攻め込んだ演出を見せるのか、ご期待ください。 出演は、毎日、殺し合いのような喧嘩になってしまう“どうしようもない”兄弟に、堤真一 と瑛太。 堤は、2012年に、小川絵梨子演出『TOPDOG/UNDERDOG』で黒人兄弟の屈折した愛憎を演じ、小川とは2度目のタッグとなります。また、2013年NODA・MAP公演『MIWA』での伸びやかな存在感が魅力的だった瑛太が、ガラリと異なる劇世界に挑戦。この手触りの異なる翻訳劇で、舞台初共演となる2人が、どんな兄弟像を見せてくれるのか、注目が集まります。そして、今回、オーディションを突破し、紅一点「ガーリーン役」を射止めたのが、木下あかり です。これまで、長塚圭史演出『あかいくらやみ〜天狗党幻譚』『冒した者』等に出演していますが、このダークな物語の中で、一筋の希望を感じさせる存在の少女役で、重要な役割を担うこととなりました。最後に、物語の要を握る飲んだくれの聖職者:ウェルシュ神父には、映像・舞台の世界で、主役・脇役・ジャンルを問わず多彩な表現力を見せる北村有起哉が登場! この4人の役者たちと演出家、そして、マクドナーの劇世界との化学反応に、是非ご期待ください!
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